ROLES × XENCE の協働

2022年5月、ROLESはXENCE Architecture Studioとタッグを組み、
街の原風景とともに次世代の建売住宅を発信する
『ROLES X HOUSE』 (ロールズ クロス ハウス )プロジェクトを
埼玉県桶川市で始動した。


“次の街をつくる”

ROLESが会社の創業以来、看板に掲げてきた基本理念である。
これを実現すべく、自社分譲の戸建住宅事業において、
勇敢な一歩を踏み出す決断をした。

「住宅を通じて、街をデザインする。そこにイノベーションを起こす。」
本プロジェクトの目的である。




ROLESとXENCEの協働による、次世代の建売住宅を発信する『ROLES X HOUSE』プロジェクト。

住まい手にも近隣住民にも活気を与え、街自体をデザインするような建売住宅に挑戦する。

街並みや文化と調和し、豊かな未来を提供する建売住宅を一品生産で社会に供給する。

01.
現代から未来に通じる建売住宅

スタートの地となった桶川坂田への思い

『ROLES X HOUSE』の最初の土地に選んだのは、埼玉県桶川坂田。ROLES代表取締役の藤原が、社会人第一歩を踏み出した、
思い入れのある街だ。

区画整理を終えたばかりの坂田地区は、築浅の戸建住宅街の中に
生産緑地が拡がり、中心を生活道路が碁盤目状に走る、
現代日本の一般的な住宅街ともいえる。

魅力を感じる建売住宅の再考

地区に入り込むと、素敵な住宅が目に留まる一方、販売中のまま、
住まい手が決まらない新築住宅が目につくようになってきた。
コストを抑え画一的な住宅を建てても、そこでの暮らしに
豊かな未来を想像できなければ、今の住まい手には響かない。
そんな時代になってきた。

インフラとして住宅がもつ価値の再考。
住まい手にも近隣住民にも良い影響を与え、
誇れる街並みを形成する建売住宅とは何か。

それを日々考えるようになった。








プロジェクトの最初の土地となる桶川坂田。住宅街の中に生産緑地が拡がる原風景がある。

画一的な見慣れた建売住宅のつくり出す街並みからの脱却をROLESは目指していく。

ROLESがつくる住宅を通じて、誇れる街並みを形成する。

02.
大きな時間の流れのなかで、暮らしを支える住宅

住宅と街並み

地域に溶け込み、その土地の文化を継承しながら街を紡いできた住宅は、何年たっても丁寧に使いこなされている。
建物としての資産価値も長期に亘り維持されている。

では、街並みや住まい手の暮らしを豊かにしつつ、長期的な文化と資産を形成する住宅は、どのように実現できるのだろうか。

調和と自分らしさ

対象地を更に紐解くと、江戸時代には京都三条と江戸とをつなぐ
中山道の要衝として、桶川臙脂という紅花の栽培で栄え、小麦など
農作物の集散地として広域から商人の集まる活気ある宿場町であった。
現在もなお人やモノが行き交うことで、
宿場町ならではの文化が継承されている。

地域の公園や住民参加型の文化体験施設も多く、
自然豊かでレガシーな地域であることが再発見できる。
また、新たなまちづくりの中で趣味や生活を共有するコミュニティも
誕生しつつある。

「街の根幹にある大きな時間の流れと調和しつつ、
  住まい手が自分らしく暮らせる住宅」

求めていた、一つの答えに辿り着いた気がした。








中山道の宿場町を彷彿とさせる古民家。現在も地域に愛されながら丁寧に利用されている。

桶川は江戸時代の宿場町として栄え、農作物の集散地としても有名であった。

現在は人やモノが行き交う宿場町の文化を継承しつつ、新たなまちづくりが構想されている。

03.
発注者と設計者と施工者をつなぐ新たな関係

ROLES代表取締役 藤原

ROLES代表取締役の藤原。イノベーティブ建売住宅の実現へ向け、様々な挑戦を計画する。

「ROLES版 建売住宅グランドデザイン」

ROLES代表取締役の藤原は、常々あるひとつの疑問を抱きながら、仕事をしていた。
発注者と設計者と施工者との連携の仕方についてのジレンマと、それを乗り越えた先にある建築に可能性を感じていた。

3者間にはそもそもの知見と考え方に立場と隔たりがあり、互いに腹を割って議論の展開が十分にできないまま、時間を区切られ、ときに大切な部分が無視されてきた。

藤原はそこに一石を投じたかった。
藤原にとって会社とは、「個人の自己実現の場」であり、同時に、
「社会に対して価値還元をする恩返しの場所」でもあるからだ。

そこで、このプロジェクトにおいては、まず以下の要因を排除した。
各々が各々の立場で、部分的な最適を目指しての建売計画で進めることを認めない。
今回、発注者と設計者と施工者が、最初から一体不可分の存在として主体的に関与する。
さらに販売、管理の立場の人間も、そこに構想初期から携わる。
従来のように与条件を発注者が示し、それを設計者がデザインし、渡された図書で施工者が施工をするという断続的・部分的な業務フローではなく、一気通貫で全体を全員が関与しながら計画を進行する。

それが藤原の考える『X HOUSE』(クロス ハウス)実現の基本プロセスだ。

今回、ROLESがX HOUSEプロジェクト実現のパートナーとしてタッグを組んだのは、 XENCE Architecture Studio (XENCE)の小澤氏と川上氏の両名である。

XENCEの2人は、建築設計の現場でのプロセスに、ある思いを抱いていた。
「建築とは多様なモノゴトの”流れ”がカタチとして現れたもので、建物を設計して終わりとはせず、その前段階である土地や資源の準備、個別の企画から竣工後の維持管理・運用までを、大きなモノゴトの流れとしてデザインすることが理想。」

XENCEはこのような思想のもと、建築計画全体に取り組んでおり、ROLESにとってまたとない共同事業パートナーであった。

XENCE代表 小澤

XENCE代表の小澤氏。建築設計を主軸としながら、企画・施工・運営まで一貫して取り組む。

ROLES的『Xチーム』の座組自体の再定義

XENCEは、事前の計画段階からの基本構想にはじまり、主体的な施設計画の策定、完成後の維持管理における設計者としての関与を全うできる豊かな経験とバックボーンを有しており、ROLESとのコンセンサスも一致していた。

また、この座組の画期的なところは更にその先にもある。
従来の発注者・設計者・施工者・販売者・管理者といった各当事者が分離独立して各フェーズで、調整と連携を短期的かつ不連続に繰り返すのではなく、その5者が全体を通じて長期的かつ連続的に『Xチーム』(クロス・チーム)として関係構築する
ことで、イノベーションを起こす点にある。

04.
原風景に寄りそう住宅のストーリー

原風景を取り込む住宅

決まったお客様に対してその時に最適なnLDKを供給するという
請負型の住宅とは異なり、建売住宅は未来まで続く家族の在り方や
その場所に適した住み方を、ストーリーとして
お客様に届ける必要がある。

XENCEと共に敷地周辺を歩きながら様々な議論を交わした際、
ふと現れた「原風景」という言葉に着想を得た。

桶川の原風景を感じる住宅は、新旧問わず確かに豊かに見えた。

原風景からのつながりをデザインする

桶川の原風景を織りなす生産緑地と広大な空。
これらに寄りそうストーリーをXENCEと共有することで、
デザインを進めている。
綿密な敷地のリサーチや、漸進的なアイディア出し、
最先端の設計技術など様々な手法を組み合わせ、生産緑地の風景と
居住空間が接続し、広い空に昇華していく住宅を描いていく。

まさに桶川の原風景を未来へと引き継ぐ建売住宅として、住まい手にも
桶川の街にも新たな価値を提供する準備が進んでいる。








桶川の原風景を織りなす生産緑地と広大な空、その風景に寄り添うすてきな建売住宅を計画している。

中庭の緑や吹抜けの空を住宅の中心に据えた、文化的なライフスタイルを提案する。

桶川の原風景を取り込むことで、住まい手にも街にも新たな価値を提供する住宅を建てる。

05.
未来の街並みをお客様とともにつくる、
建売住宅のイノベーション

建売住宅がお客様と出会う新たなプロセス

新しい建売住宅を検討する際、供給プロセスだけでなく、
住宅と住まい手が出会うプロセスにも
イノベーションが必要となる。

今までは不動産会社からの紹介や、ポータルサイトでの
簡易的な間取図を確認したのち、モデルハウスや
類似事例を見て購入を決断するのが一般的であった。

しかし、間取図や建設途中の建物を見て、
自分が住む建物の将来を想像するのはハードルが高く、
また、図面だけを見せられても一般の人には
潜在的に分からないことが多かったはずだ。

今回のプロジェクトでは、ストーリーが住まい手に簡潔に伝わるよう、AR、モデル、プロジェクションマップといった出会い方のプロセスを
多様に楽しく実現しようと試みている。
また、既存媒体を用いた新たな表現も検討中である。







建売住宅はストーリー自体を未来の住まい手に十分かつ簡潔に伝える必要がある。

ARなど最新技術により、住まい手と住宅がより楽しく出会えるよう、多様なプロセスを試みる。

ファシリティマネジメントの視点から長期的なシナリオを想定したあらたな建売の在り方への挑戦

06.
ロールズが目指す『ROLES X HOUSE』

「単に画一的な住宅を建て続けても、未来の文化を育む豊かな街はつくれない」

ROLESは、『次の街をつくる(≒建物を通じて街をつくる)』という基本理念を実現すべく、
住まい手との関係性も含めて新たな建売住宅のあり方を構想し、実行にうつしていく。

桶川の『X HOUSE』(クロス ハウス)はその第一歩であり、今後も私たちにしかできない、
イノベーティブな建売住宅を展開していきたい。